9.住みながらでもマンションは売却できる? 居住中の物件を売る手順とコツ

9.住みながらでもマンションは売却できる? 居住中の物件を売る手順とコツ
不動産

住み替えによってマンションを売却する際には、売主の居住中に売却活動をスタートするケースもあります。マンションに住みながらであっても、きちんとポイントを押さえておけば売却は可能です。

今回は居住中のマンションを売却する流れやコツ、住宅ローンを利用している場合の注意点を解説します。

 

目次===========================

1.居住中でもマンションの売却は可能
2.住みながらマンションを売却するメリット・デメリット
  a.住みながらマンションを売却するメリット
  b.住みながらマンションを売却するデメリット
3.住みながら売却するための手順とコツ
  a.売り先行の手順
  b.売却と購入は同じ不動産会社に依頼すべき?
  c.住みながらマンションの売却を成功させるコツ
  d.住宅ローンが残っている場合の注意点
4.オーバーローンに注意
まとめ
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1.居住中でもマンションの売却は可能

現在住んでいるマンションを売却する際には、先に新たな居住先を見つけ、空き家にする方法も考えられます。しかし、その場合には、コスト面で何かと負担が大きくなってしまいます。
 

たとえば、買い替えを想定しており、売却より先に新たな物件を購入するとします。この場合、現在のマンションで住宅ローンを利用している人は、新たなローンと合わせて二重ローンが発生します。また、売却後に新たな物件を購入する場合、仮住まいを確保するための賃料を負担しなければなりません。売却を進めながら賃貸物件に住み替える場合であっても、固定資産税などの税金や管理費、修繕積立金は払い続ける必要があります。住宅ローン控除は基本的に住んでいなければ適用されません。

 

そのため、現在の物件に住みながら売却活動を行うケースもあるのです。居住中でも売買の成約件数は多いため、きちんとポイントを押さえておけば売却は可能です。

なお、住み替えにおいては、先に新たな居住先を購入しておくことを「買い先行」、先に売却を済ませることを「売り先行」と呼びます。

 

2.住みながらマンションを売却するメリット・デメリット

ここでは、マンションに住みながら売却を行うメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。


a.住みながらマンションを売却するメリット
  • 引き渡し日直前まで住まいを移さなくて済む
  • 売却で得た資金を住み替え費用に充てられる
  • 買主に実際の生活のイメージを伝えやすくなる

もっとも大きなメリットは、コスト面の負担が軽く済む点にあります。引き渡しの直前まで現在のマンションを生活拠点として利用できるため、引越しの手間や費用を抑えられるのです。

 

さらに、売り先行では、売却で得た資金を住み替えの費用に充てることも可能です。そのため、手元に十分な資金がない状態でも、売却価格次第では、ゆとりを持って新居の購入ができるようになります。

また、内見時には買い手に実生活のイメージを伝えやすくなる面もあります。家具や小物が配置されている状態のほうが、購入後の生活を想像しやすい場合もあるのです。
 

b.住みながらマンションを売却するデメリット
  • 急な内見の予定に対応しにくい
  • 掃除やメンテナンスなど、内見への対応に工夫が必要
  • 引き渡し日の自由が利かないため、買い手に負担を感じさせてしまいやすい

一方、デメリットとしては、内見時の対応の難しさが挙げられます。内見の希望が前日に伝えられることも少なくないため、特に土日・祝日はできるだけ予定を空けておく必要があります。

急な内見希望に対応するためにも、買い手が見つかるまでは、掃除やメンテナンスも欠かせません。いつでも来客を迎えられる状態を保っておくことを考えると、多少のコストがかかっても空室にしてしまったほうがいいと考える人も少なくないのです。

また、買い手を見つけるうえでは、引き渡し日を柔軟に動かせない点がネックとなります。即入居ができないので、空室となっているほかの中古マンションと比べて、条件の面で不利になってしまうケースもあります。

 

3.住みながら売却するための手順とコツ

住みながらマンションの売却を行う際には、単に売却をするときとは手順が少し異なります。ここでは、売り先行を行う手順について詳しく見ていきましょう。


a.売り先行の手順

売り先行を行う場合、売却と同時に住み替え先の購入手続きも進める必要があります。

売却

購入

1.不動産会社に査定依頼を行う

1.住み替え先を探す

2.不動産会社と媒介契約を結ぶ

3.売却活動を行う

4.購入希望者と売買契約を結ぶ

2.購入契約を結ぶ

3.住宅ローン手続きを行う

4.引き渡し(残代金の支払い)を行う

5.引越しを行う

5.引越しを行う

6.引き渡し(残代金の受け取り)を行う

上記のように、スムーズに売却と購入を済ませるためには、「引き渡しと引越しの日をそろえる」必要があります。そのため、売却の手続きと同時並行で物件探しもスタートさせましょう。
 

b.売却と購入は同じ不動産会社に依頼すべき?

住み替えを行う際には、売却と購入を異なる不動産会社に依頼することも可能です。しかし、売り先行を行う場合には、自分で細かなスケジュールを調整しなければなりません。

その点、同じ不動産会社に手続きを任せれば、事情をきちんと把握したうえでサポートをしてもらえます。住み替えでは考えなければならないことが増えるため、引き渡し時期を含めて相談しやすくなるのは大きなメリットです。
 

c.住みながらマンションの売却を成功させるコツ

何よりも重要なポイントは、引き渡しの時期に合わせて、ゆとりを持ってスケジュールを組むことです。売却までに時間がとれないと、買い手との交渉で不利になり、希望どおりの価格で売ることが難しくなってしまうのです。

また、内見については、なるべく土日や祝日の予定を空けておくとともに、できるだけ日中の状態を見てもらえるようにしましょう。太陽の光が差し込む時間帯のほうが、日当たりを確認してもらえたり、室内の印象がよくなったりするメリットがあります。

さらに、必要に応じてハウスクリーニングを依頼するなど、掃除にも目を向けましょう。自身の引越しなども考慮すると、不要なものを処分して、できるだけ広いスペースを確保できるといいでしょう。

また、内見時に意外と見落としがちなのが、「ニオイ」に関するポイントです。特にペットを飼育している場合には、十分な清掃と換気を行って、ニオイがこもらないように対策をする必要があります。

 

4.住宅ローンが残っている場合の注意点

きちんと手順を押さえれば、居住中でも問題なく物件を売却することは可能です。しかし、住宅ローンが残っている物件を売る際には、事前に注意しておかなければならないポイントがあります。

ここでは、最後に住宅ローンを利用している場合の注意点を見ておきましょう。
 

■オーバーローンに注意

住宅ローンが残っている物件を売却するためには、売却代金などを残債の返還に充てて、引き渡しまでに完済することが条件となります。しかし、希望どおりの価格で売却できないなどの理由から、場合によっては売却代金だけで残債を完済できないケースもあります。

この状態を「オーバーローン」と呼び、売却するためには、残りを自己資金で賄うなどの対処を行わなければなりません。それでも完済できないようなら、「住み替えローン」の利用を検討するのもひとつの方法です。

住み替えローンとは、新居を購入するために利用する住宅ローンに、これまでのローン残債を上乗せできる仕組みです。しかし、借入額が大きくなれば、審査が厳しくなるとともに、当然ながら返済の負担も大きくなってしまいます。

そのため、安易に住み替えローンを選択するのではなく、まずはできるだけ高い価格で売却できるような戦略を立てることが大切です。


 

まとめ

これまでに見てきたように、居住中であっても、きちんと手順を踏めば問題なくマンションを売却することができます。しかし、スケジュール調整に工夫が必要であるとともに、オーバーローンにも注意を払わなければなりません。そのため、できるだけ納得のいく価格で売却できるように、不動産会社選びにきちんと力を入れることが大切です。