リノべの物件探し。あなたならどちらの不動産会社に依頼する?
- 2023.12.02
- 不動産売買
みなさん、こんにちは。
一家全員が風邪の症状に見舞われている、仙台の不動産とデザイン建築のお店「GAUDILAND」のササキです。
ここ最近は寒暖差が激しいこともあって、体調を崩されてる方も多いですし、インフルエンザがとても流行してますね。みなさんもどうか体調だけはお気をつけください。
さて、今回は、「物件探しについて」です。
もしあなたがリノベーションを前提に物件を探すことになった場合、「不動産会社」もしくは「リノベ会社」のどちらに依頼しますか?
依頼する先が違うだけで、あなたに提供される物件情報はまるで違います。
その違いを解説します。
= 目次 =
1 リノベーション前提の物件探しとは?
2 不動産会社の物件探しとリノベ会社の物件探しの違い
3 失敗しない物件探しのコツとは?
1 リノベーション前提の物件探しとは?
リノベーションをするあなたにとってまず必要となるのが「物件」ですよね。そしてその物件を探すのは「不動産会社」の領域。そう思っていませんか?
確かにそれは間違いありません。絶対にそうです。
ただ、不動産会社にも色々と種類があって、物件探しを得意とする会社、不得意とする会社があったりします。
例えば、リノベーションをするのですから、不動産会社に求めるのは「売買物件」の物件情報であることは当たり前。
ただ、賃貸をメインにしている会社もあれば、オフィスなどをメインに取り扱っている会社も。こういう不動産会社からは有益な情報は得られません。
まずはしっかりと日常的に「売買」「仲介」をしている会社かどうか調べましょう。
その上で、売主からたくさんの物件の売却を預かっている会社かどうかです。
これについては一概に言えませんが、これから物件を「購入」するあなたにとっては、できれば上記のような会社でない方が良いと言えます。
なぜなら、売主から物件を預かった不動産会社はなんとしてもその物件を優先的に売りたいからです。だって仲介手数料が売主からもあなたからも入ってきますからね。
そうするとあなたにどんな影響が出てくるのか。
場合によっては、不動産会社が意図的にその物件に決めてもらえるよう、誘導される可能性があります。
それではあなたの理想ではなく、不動産会社の理想の物件探しになってしまいますよね。
「リノベーションを前提とした物件探し」は、物件のことだけでなく、リノベーションのこともしっかりと考慮され、トータルでバランスが良い物件が求められます。
例えば、以下のような物件は一部を除きリノベ向きとは言いづらいものがあります。
・免震構造の物件
・築年数が浅い物件
・比較的きれいなことを売りにしている物件
・リフォームもしくはリノベーションされた物件
上記のような物件はまず「金額が高め」が高めに売り出されています。
売主の心情からすればそれは当然とも言えます。
ただ、リノベーションをするあなたにとって物件金額は安いに越したことはありません。
なので、ハウスクリーニングもいらなければ、破損箇所を補修してもらうことも不要なのです。その分安ければ良い。
リノベーション前提の物件探しは以下のような物件が好まれます。
・免震等でなくとも震災などの被害がしっかり修繕されている物件
・築年数に限らず、共用部の管理などがしっかりされている物件
・室内はできるだけ手をかけておらず、その分が金額に反映されて安さを感じる物件
・直近のリフォーム歴ができるだけない物件
このような物件は金額が周りの物件よりも安めです。こういった物件を狙うのが後のリノベーションにつながる最大のポイントと言えるでしょう。
2. 不動産会社の物件探しとリノベ会社の物件探しの違い
それでは不動産会社の物件探しとリノベ会社の物件探しについて、違いを解説していきます。
ちなみにここでは「不動産業」だけを専門にやっている会社を「不動産会社」、不動産免許は持ちつつもメインはリノベーション業である会社を「リノベ会社」として説明していきます。
中にはリノベーション業をやっていても不動産免許を持っていない会社もありますので、そういった会社は物件のご案内などができませんので、予め調べておきましょう。
【不動産会社の物件探し】
まず、不動産を専門にした不動産会社にいき、物件探しを始める際は、リノベーションをするための物件探しであること、そして予算を的確に伝えましょう。
また、そのためにはあなたがしたいリノベーションがどれほどの金額がかかるのか抑えておくことは大前提です。
なぜならば、不動産会社はリノベーションの専門的知識がないからです。もちろん言葉は知っていたり、どんな工事をすることがリノベーションかは知っていても、どれくらいの面積の工事がいくらになるのか、どんな仕様や設備を取り扱っているのかなどはリノベ会社以外、知る由もありません。
昔、お店に飛び込みで訪れたお客様の中にこんな方がいらっしゃいました。
お客様「あの〜、ずっとSNSとかで気になってたので来てみたんですが、リノベーションの間取りやお見積って作っていただけますか?」
私「もちろんです。ではご希望の物件のことから色々伺ってもよろしいですか?」
お客様「あ、物件はすでに契約済みなので、間取りと見積だけです」
私「そうでしたか。物件は決まってるんですね。ご契約おめでとうございます。では物件の図面などはありますか?」
お客様「持ってきました!こちらなんですが・・・」
私「とても広いお部屋ですね!どんなリノベーションをご希望されてますか?」
お客様「まずですね・・・」
(こだわりなどを1時間ほどヒアリング)
私「とても夢いっぱいでワクワクしますね! ところで、ご予算についてはいかがお考えですか?住宅ローンでしょうか?現金でしょうか?」
お客様「住宅ローンは既に申込済みなので、予算は現金で300万円です」
私「あ、そうでしたか、、、お客様、大変申し上げにくいのですが、そちらの予算ではお客様のご希望である、全体的なリノベーションは難しく、水回りだけでしたらなんとかできるかどうか、、、」
お客様「え? リノベーションってそんなに費用かかるんですか?」
私「そうですね、お客様の物件の面積と、ご要望からすると、業界の相場からしても1,200万円ほどはかかるかと、、、。ちなみに300万円というご予算は何でお調べになられたんですか?」
お客様「この物件を勧めてくれた不動産会社さんです。リノベしたいと伝えたら、「リノベだと一般的に300〜500万円ですね」と言われて、、、」
私「そうでしたか、、、」
これは実話です。この方はその後どうなったかはわかりませんが、ご来店された時の表情とは一変、肩を落とされて帰られました。
ここには2つの落とし穴があったと思います。
・不動産会社の担当者にリノベーションの知識があまりにもなかった
・お客様自身がリノベのことをしっかり調べずに物件を決めてしまった
不動産会社の担当者にリノベの知識、リフォームの知識がないことは何も悪いことはありません。ただ、何も知らないお客様に迂闊に裏付けのない予算を提示してしまったことは非常に許し難い部分はあります。
それと同時に、お客様側にも事前の準備が不足していたことは言うまでもありません。
やりたいことがあるならば、それ相応の知識をつけてからスタートするべきで、少なくとも契約前にリノベ会社に相談するべきだったでしょう。もしかすると弊社の前に何件も同じことを言われてきたのかもしれませんが・・・。
不動産会社は専門なだけにたくさんの物件情報や不動産知識があります。だからこそ信用してしまうのですが、不動産会社は「仲介」をして初めて利益が生まれます。
また、その利益は物件金額が大きければ大きいほど多くなるわけです。
だからこそ不動産会社は色々な理由を示して、この物件よりもこっちの方が高いですがオススメですよ、と言ってくるわけです。
そうするとあっという間に100万円、200万円と当初の予算よりも高い物件を買うことになり、リノベーションに充てる費用が減っていく可能性があります。
そうならないように、
・事前に自分がやりたいリノベーションの相場を調べておくこと
・予算を明確に不動産会社に伝えること
だけは徹底しておかないと取り返しのつかない物件探しになってしまう恐れがありますので、注意しましょう。
【リノベ会社の物件探し】
続いてリノベ会社による物件探しです。
言うまでもなく、リノベ会社による物件探しは、不動産会社の物件探しに比べて、リノベ向きな探し方をします。
特に物件の探し方のほかに、物件をリノベーションする場合、物件のどんなところを見れば良いかが決定的に違います。
例えば、
・天井コンクリート現しが可能かどうか天井裏を点検する
・壁が抜けるかどうか図面や現地で確認する
・追い焚き機能が設置できるかどうか確認する
・水回りの位置が変更できるかどうか確認する
・お手持ちの家具やリノベーションの建材の搬入が可能かどうか共用部を確認する
など
ほんの一部ですが、上記のような視点で物件を見ています。
物件によりその工事ができるかどうかはまるで違います。
それを1件1件しっかり確認してお客様にご案内した上で契約に至ります。
特に弊社では物件探しからリノベの設計・施工までをワンストップで行なっていますので、そういった会社ほど、まず物件だけ契約しましょう、という流れにはならないので、安心です。
また、リノベーションのご希望も最初のうちに伺うので、どれくらいの予算がかかるのかも明確ですし、物件とリノベ、どちらに比重を置くかも相談しながら進めますので、物件の幅も狭まることはありません。
リノベーションの住まいに住みたいあなたにはこのリノベ会社による物件探しが適していると言えます。
3. 失敗しない物件探しのコツとは?
物件とリノベはセットで考えなければなりませんが、スピード感に大きな違いがあります。
これを理解しないことには上手なリノベはできません。
物件の売主は、物件が売れれば満足であり、あなたのリノベの話は勝手に後でやって、というのが極論であり本音です。
だからこそ、物件を押さえたらすぐ契約という運びになりますし、リノベを待ってはくれません。
一方リノベは決めるものが多いため、打ち合わせがかさみます。物件探しとリノベ、セットで進めるならば、これを依頼する先は一つにするのが失敗しないコツと言えます。
どうしても物件は知り合いの不動産会社に、ということがあるならば、その時は物件を決める際にリノベ会社に並行して相談しましょう。
そして、必ず物件を契約する前にリノベの間取りや見積も提示してもらう。これが予算オーバーにならないために、こだわりなどを実現できるかどうか確認するための手段です。
それも可能かどうか、リノベ会社に事前に確認をとっておきましょう。
そうすればあなたのリノベは成功するに違いありません!
せっかくの住まい探し。色々な問題は起きたりしますが、探す段階から作る段階、そして住んでからまでも含めて楽しく進めてほしいと思います!
ではまた!