おうちの広さ「㎡と坪」

さぁ、おうちを探そう!と思った時に、建物の広さや土地の広さとして出てくる「㎡」や「坪」という単位。他にお部屋の広さでは「帖(畳)」というのも出てきますよね。

知っているよ、という方も多いとは思いますが、実は同じ単位でも広さが違うことがあるって知ってました?

これからおうちを探し始める方も、おうちを探している人にも是非改めて知っておいてもらいたい「広さの単位」をご説明します!

【 広さの単位 「㎡」 】
まずは「㎡」から。これは小学校で習っているので、ちゃんと先生の授業を聞いていた人なら誰でもわかるはずですね。
「㎡」は平方(へいほう)メートル」と読みます。漢字で書くと「平米(へいべい)」。不動産や住宅メーカーなど、業界ではその頭に数字をつけて「○ヘーベー」なんて読み方が一般的です。
1㎡=1m×1m。

つまり全て1mの辺でできた正四角形であれば、その面積は1㎡となります。100㎡となると10m×10m。なんとなくイメージしやすいと思いますので、ここまでみなさん大丈夫ですよね。
これは世界基準の単位になりますので、海外でも広さが実感しやすいです。

【 広さの単位 「帖(畳)」 】
次は「坪」と行きたいところなんですが、「坪」に入る前に、「帖(畳)」を理解しないと「坪」のイメージがつきづらいので、「帖(畳)」から。これは「じょう」と読みます。
とは言いつつも、みなさん、自分の子供時代のお部屋や、今住んでいる住まいのお部屋の大きさとして「帖(畳)」を使っている人が多いのでは?「帖(畳)」のイメージがつけば「坪」はすぐ理解できます!
「帖」は「畳」とも表現することもありますが、その字の通り、畳(たたみ)1枚の大きさを表す単位です。畳(たたみ)が主流だった昔とは時代が変わり、床をフローリングにすることが増えたことから、和室と区別するために「帖」と表現することが増え、今では「帖」が一般的になってきています。ではその畳(たたみ)1枚のサイズとは?
1畳(帖)=約90cm × 約180cm。
つまり「㎡」にすると1.62㎡となります。これは不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約及び施工規則」によって定められています。
ここで思い出してほしいのは、私が最初にお伝えした、「同じ単位でも広さが違うことがある」ということ。
昔は住宅の建築方法に地域差があったりして、関東と関西では畳(たたみ)のサイズが異なっていました。そのため、同じ帖数(畳数)でもエリアが変わると部屋の大きさに違和感がある場合があるんです。
そして、その畳(たたみ)のサイズには4つの規格があります。

① 京間(きょうま)/ 本間間(ほんけんま)
この規格のサイズは縦(長手方向)が191cm、横(短手方向)が95.5cmです。面積にするとおおよそ1.82㎡。この京間を合わせた4つの規格サイズの中で一番大きな畳(たたみ)になります。
京間はその文字の通り、京都を中心に関西エリアなどで使用されているもので、呼び方も地域によっては「本間間(ほんけんま)」や「関西間(かんさいま)」と呼ばれることもあります。

② 中京間(ちゅうきょうま)/三六間(さぶろくま)
次は中京間。サイズは縦が182cmで横が91cm。面積は約1.66㎡です。
面積は2番目に大きく、一般的な畳(たたみ)のサイズとして定められた1.62㎡に一番近いサイズになります。
中京間というだけあって、中京地方と呼ばれる愛知や岐阜などの他に、一部の地域(岩手県、山形県、福島県、沖縄県)で使用されています。
また、三六間(さぶろくま)と呼ばれていますが、この「さぶろく」という呼び方は畳(たたみ)以外でも使われており、ホームセンターで売られている板のサイズなどでもよく使われています。住宅メーカーの中にもこの182cmや91cmを単位として扱ったりすることもありますので、覚えておきましょう。

③ 江戸間(えどま)/五八間(ごはちま)
3番目は江戸間。縦176cm、横88cmという大きさで、およそ1.55㎡です。江戸という名前の由来にあるように、関東を中心に広く全国的に使用されているタイプの畳(たたみ)です。
関東間(かんとうま)や田舎間(いなかま)とも呼ばれたりもします。

④ 団地間(だんちま)/五六間(ごろくま)
最後は団地間。縦170cm、横85cm、面積は1.45㎡になります。この畳(たたみ)は主にアパートやマンションなどの共同住宅などで使用されることが多い畳(たたみ)です。そのため、「団地」という名前が付けられたと言われています。
この団地間は、①の京間と比べると縦20cm、横10cmほども小さくなります。畳(たたみ)1枚とするとそこまで差を感じない人もいるかもしれませんが、6畳で考えると結構な差になります。

【 広さの単位 「坪」 】
さて、やっと来ました、「坪」です。
帖(畳)が理解できたところで「坪」を説明するのですが、簡単に言えば「1坪」は「2帖(畳)」になります。
ただし、帖(畳)をしっかり学んだあなたとしては、1畳でも4種類あるのでに、1坪って結局どんな広さなの?って思いますよね?
「坪」は昭和41年まで存在していた尺貫法による面積の単位とされていて、かつて明治時代の度量衡法(どりょうこうほう)という法律で400/121平方メートルと定義されていました。1坪=400/121平方メートル=3.30578㎡です。その後、計量法が用いられることになり、取引などにおいては坪の使用は禁止され、mを基準とする平方センチメートルや平方メートルを使用することになっています。
なので、日本の昔からの単位が今でもそのまま使われているわけです。
1坪=畳(たたみ)2枚分として考えるならば、この畳(たたみ)は中京間基準に基づくものになります。

【 「0.3025」という数字 】
実はこの1坪=約3.3㎡の他にも、業界では標準となっている換算方法があります。
それは「0.3025」という数字。
先に紹介した1坪を㎡にする際とは逆で、1㎡を坪にするといくらか、という考え方があります。
これも度量衡法に基づいていて、1尺=10/33m(1mの33分の10を1尺とする)と定められていました。
そのため、
1尺=10/33m  1間(けん)=6尺=60/33m
1坪=1間×1間=(60/33)×(60/33)㎡=3600/1089㎡となり、
1㎡=1089/3600坪=0.3025坪となりました。(ややこしいので流していいです)

ですので、「㎡」を「坪」に換算する際はこの「0.3025」を用いて計算することが多いのが現状です。

例)100㎡は何坪か?
  計算式:100(㎡)×0.3025(坪)=30.25坪

例)30坪は何㎡か?
  計算式:30(坪)×3.3(㎡)=99㎡

業界ではこれがスタンダードですが、一般の方は「㎡を坪にする」際にも「3.3」を使っている方が多いかと思います。差はほんの少しかもしれませんが、これを機に使い分けてみると良いかと思います。

いかがだったでしょうか?
マンションや戸建では面積が違う畳(たたみ)を用いたり、住宅メーカーによって基準とする長さの単位が違ったり、坪から㎡、㎡から坪へと、換算の仕方が違うということがおわかりいただけましたでしょうか?

もちろん、どれも間違いではないため、一番困ってしまうのは住まい探しをするあなたになります。自分の比較基準を何にするか。これをしっかり決めて、迷った時にはメートルを基本にして実寸を測るなどして、「記載された単位」を鵜呑みにしないようにしましょう。

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