ローンが残っている家を売却する方法とは?注意点や住み替えの手順も解説
- 2022.11.18
- 不動産売買
みなさん、こんにちは。もしくはこんばんは。
仙台の不動産会社でデザイン建築の会社、GAUDI LANDのササキです。
今回は、住宅ローンが残っている住まいの売却と住み替えについて。
ローンが残っている家は、抵当権が抹消できるようならいつでも売却できますが、抵当権を抹消するためには家を引き渡すまでにローンの完済が必須です。家の売却額はローンの返済に充てられるので、実費負担を減らすために、まずは少しでも高く家を買い取ってくれる買主や不動産会社を見つけましょう。
ただし家の売却額だけでローン残債を完済できないオーバーローンになった場合は、「住み替えローン」を利用し、新居購入時のローンに残債を上乗せすることも可能です。
そこで今回は、不動産会社に買取を依頼する場合、ローンが残っている家をスムーズに売却する方法と、売却時の注意点を解説していきます。金銭的負担が少なくなる住み替え手順も同時に解説しているので、家を不動産会社に売却すると同時に引越しも検討している人は参考にしてください。
=目次=
1.ローンが残っている家でも売却可能! ただし抵当権の抹消が絶対条件
2.ローンが残っている家を売却する手順
-a.住宅ローンの残債を把握する
-b.家の売却額を調べる
-c.家の売却金・貯金でローンを完済する
3.家の売却金・貯金でローンを完済できない場合はどうする?
4.ローンが残っている家を売却する際のポイント
5.住み替えの際は、現在の家を売却してから新しい家を買う
6.まとめ
1.ローンが残っている家でも売却可能! ただし抵当権の抹消が絶対条件
現時点でローンが残っていても、家を売却することは可能ですが、家を引き渡すまでにローンを完済し、抵当権を抹消することが絶対条件になります。抵当権とは、何らかの理由で家のローンを返せなくなった場合、銀行が土地や建物を競売にかけ、残りの住宅ローンを回収する権利のことです。
もし、Aさんが抵当権を抹消しないままBさんに家を売ってしまうと、Aさんがローンの返済をできなくなった場合、Bさんの家は強制的に競売へかけられてしまいます。
このようなリスクを防ぐため、ローンが残っている家を売却する際は、ローンを完済して抵当権を抹消することが絶対条件となっているのです。
ローンが残っている家は、以下3つの手順に沿って手続きを進めていくと、スムーズに売却できます。
-a.ローンの残債を把握する
-b.家の売却額を調べる
-c.家の売却金・貯金でローンを完済する
これらの手順を、詳しく解説していきましょう。
-a.住宅ローンの残債を把握する
まずは、ローンがあといくら残っているのかを把握することが大切です。ローンの残債は、1年に1回、借り入れ先の金融機関から送られてくる残高証明書か、半年に1回送られてくる返済予定表に記載されているので、そちらで確認をしましょう。
もし手元に残高証明書がない場合は、借り入れ先の金融機関に連絡をすると再発行してもらえます。ただし、銀行によっては再発行の際に手数料がかかることもあるので、事前に確認をしておくといいでしょう。
また、ローンの残債は借り入れ先金融機関のWebサイトから確認することも可能です。インターネットバンキングの申し込みさえ完了していれば、24時間365日スマホやパソコンから確認できるので便利です。
-b.家の売却額を調べる
家の売却額は、不動産会社に売却査定をしてもらうことで確認できます。
このとき、家の売却査定は複数の不動産会社に依頼しましょう。なぜなら、家の売却額がそのままローン残債の返済に回るため、できるだけ高く査定をしてくれ、信頼できる不動産会社を見つけることが重要だからです。
1社だけに依頼をすると、その査定額が高いのか安いのかの判断もできません。したがって、条件の良い不動産会社を見つけるためにも、必ず複数社に依頼をするようにしてください。
-c.家の売却金・貯金でローンを完済する
家の売却額が確定したら、家を売却し、そのお金でローンの残債を支払います。
ただし、売却額だけでローンの残債を全額まかなえなかった場合は、ご自身の貯金も合わせて完済する必要があります。マンションも一戸建ても築年数が増すほど資産価値が落ちていくので、ほとんどの場合、家の売却額だけでローン残債を完済することは難しいでしょう。
もし、家の売却額と貯金を合わせてもローン残債を完済できそうにない場合は、次に紹介する対処法をチェックしてみてください。
抵当権を抹消するためには、家を引き渡すまでにローン残債を完済させることが絶対条件です。ただし、場合によっては、家の売却額とご自身の貯金を合わせてもローン残債を全額返済できない「オーバーローン」状態におちいってしまう場合があります。
この場合は、「住み替えローン」の利用を検討しましょう。住み替えローンとは、新居購入費にローン残債を上乗せできるローンのことです。住み替えローンを組めば、手元の資金に余裕がなくてもローンを完済できます。
しかし、住み替えローンには以下のデメリットがあります。
• 借入額が大きくなるため、審査が厳しい
• 家の売却日と新居の購入日を同日にしなければならない
家の売却日と新居の購入日を同日にするためには、家を引き渡すまでに新居を見つけておき、購入する準備を進めておく必要があります。家を引き渡した後、数ヶ月後に新居を購入する場合は住み替えローンを利用できないので、ご注意ください。
ローンが残っている家を売却する際は、以下のポイントを覚えておきましょう。
「家の売却には諸費用がかかる」
家を売却する際は、以下諸費用の支払いが必要です。
• 仲介手数料
• 印紙税
• 登記費用
• 譲渡所得税
• その他費用
仲介手数料
仲介手数料とは、家を売却する際に不動産会社へ支払う成功報酬です。不動産会社は家の売却時に以下のような業務も同時に行ってくれるので、仲介手数料は必ず支払わなければなりません。
• 売却不動産の広告打ち出し
• 買主と売主のマッチング
• 売買契約時の立ち会い
• 各種重要書類の作成
仲介手数料は家の売却額が400万円以上の場合、以下の計算式で算出された額が上限額となります。
(売却額×3%+6万円)×10%(消費税)
例:3,000万円で売却した場合、(3,000万×3%+6万円)×10%=105万6,000円
ほとんどの場合、仲介手数料は上限額で請求されるため、売却額が高いほど金額も高くなりますが、必要経費と理解しておきましょう。
印紙税
不動産売買契約書を作成する際は、収入印紙を貼り、納税をしなければなりません。印紙の購入費用は契約金額によって変わりますが、2024年3月31日までに作成された書類なら以下の国税庁のHPに記載されているように軽減税率が適用されるため、印紙代は本来より安くなります。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm
※国税局ホームページ参照
収入印紙はご自分でコンビニや郵便局で買うこともできますが、不動産会社が用意してくれることが多いので、その際は不動産会社へ印紙代を支払いましょう。
登記費用
ローンが残っている家を売却する場合、抵当権を抹消するために登記費用がかかります。登記手続きはご自身ですると費用を安く抑えられますが、内容が非常に複雑であるうえ、法律などの専門知識が必要です。
登記費用は1万円ほどなので、ここはプロに任せましょう。
その他費用
ほかには、引越しや残置物の処分代などの費用も必要です。また、ローン残債を一括返済する際は、繰り上げ返済手数料がかかることも覚えておきましょう。
繰り上げ返済手数料の金額は借り入れを行った金融機関ごとに異なりますが、だいたい1~3万円が相場です。
このように、家の売却には思っているよりも多くの諸費用がかかるため、売却額をすべてローン返済に回せるわけではありません。諸費用は売却額の約4%といわれているので、売却額が500万円なら20万円、1,000万円なら40万円程度がマイナスになります。
家の売却後に新居を購入し、住み替える方法は、今の家を売った後に新居を購入する「売り先行」と、新居購入後に今の家を売る「買い先行」の2種類があります。
オーバーローンでない場合や資金に余裕がある場合は、買い先行でも問題ないでしょう。しかし家を売却しようとしてもオーバーローンになってしまう場合は、買い先行で行くとローン残債に新居分のローンがプラスされてしまうので、金銭的に大変苦しくなります。
したがって、資金に余裕がない場合は、以下のフローでの住み替えを行いましょう。
-1. 物件の一括査定を申し込む
-2. 売却を依頼する不動産会社を決定し、売却をする
-3. ローンを完済し、抵当権を抹消させる
-4. 新居購入のために住宅ローンを新たに組む
こうすることで、引越し後にローンが二重になることを防げます。
6.まとめ
ローンが残っている家を売却するには家を手放すまでにローンを完済し、抵当権を抹消しなければなりません。ローンの支払いには家を売却したお金を充てることができるので、複数の不動産会社へ査定を依頼して依頼先を選びましょう。
ただし、家の売却額がローン残債に満たない場合は、ご自身の貯金をプラスする必要があります。それでも完済できない場合は「住み替えローン」を組み、新居のローンに旧家のローン残債をプラスすることも可能です。ただし、住み替えローンは審査を通過しにくいうえ、返済額が高くなることに注意が必要です。
ローンが残っている家を売却し、住み替えを行うのであれば、売却と同時に極力自力でローンを完済できるよう、無理のない返済計画を組みましょう。
ではまたお会いしましょう!