不動産売却〜契約時に注意したい売主の意思能力〜
- 2023.01.23
- 不動産売買
こんにちは!宮城・仙台の中古リノベとcasa取扱店ガウディランドの佐藤寧々です!
実はガウディランドは中古マンションのご売却もお手伝いしています!
不動産を売却する理由はいくつかのパターンがありますよね。
転勤、住み替え、離婚…等色々ありますが、最近は「高齢になり施設へ入居するため」というケースもよく聞くようになりました。
その場合に注意したいのは、売主様の意思能力です。
意思能力のない人がした契約は無効となってしまいます。
ということで、今回は「不動産売却時に注意しなければならない意思能力」についてお話していきたいと思います。
目次=============
1.意思能力とは
2.無効になるケース
3.判断能力がない場合にすること
4.売買契約後に亡くなったら
5.まとめ
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1.意思能力とは
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意思能力とは、自分がした行為によって法的な効果が起こることを認識できる能力のことです。
契約の難易度や重要性によって判断は変わってきます。
不動産取引で必要な認識は、不動産を売る行為によって不動産を失い、代わりに売買代金を得ることを認識できることです。
意思能力が無い状態でした不動産売買の契約は無効となります。
目安として要介護認定度3以上だと、意思能力が低下している危険があると言われています。
年齢や売買をした動機、現在の生活状況、健康状態、成年後見人がいるか、取引には代理人がいるか等本人に聴取し、総合的に判断をする必要があります。契約者本人が契約に立ち会わない場合は、代理人に代理権があるか確認します。
また、普段の財産管理を誰がしているか、財産管理人と代理人が一致するか等確認することも大事です。
契約の際に本人に会えない場合でも、別の場面で直接本人と話をして、事実関係や意思を確認しましょう。
「はい」等の返事だけで売却の意思を確認するのは不十分ですので会話をして確認をすることが重要です。
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2.無効になるケース
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では無効になるのはどのような場面でしょうか?
例えば、認知症にかかってしまった場合です。
正常な判断能力を失ってしまっていると判断された場合、その方とは契約を結ぶことはできません。
たとえ契約書に署名捺印をしたとしても、契約自体が無効となってしまうことがあります。
こんな事例があります。
ご本人が認知症を患っていたので、息子さんが代理人となり売買契約を締結しました。
しかし、後から娘さんが契約の無効を主張して裁判を起こしました。
契約当時のかかりつけ医の診断書を証拠として提出されてしまえば、裁判所にも本人の判断能力に問題があったことは明白です。
その場合、契約自体が無効と認められてしまうことになるでしょう。
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3.判断能力がない場合にすること
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もし不動産所有者が判断能力のない状態になってしまっていれば、そのままでは売買契約を結ぶことはできません。
この場合は、家庭裁判所に本人に代わって「成年後見人」を選任してもらう必要があります。
「成年後見人」は契約を結ぶことができる代理人になります。
売却する不動産が元々住んでいた家の場合には、「居住用不動産の売却許可」も取得する必要もあります。
これらの手続きを全て行うとなると、準備から申立、後見人選任、売却許可まで早くても3~4か月かかります。
ケースによっては半年以上かかることもあるようです。
これから不動産を購入する方は少し不安に思ってしまったかもしれません。
しかし通常はここまでの準備が進んだ上で売り出しになっていることがほとんどなので、ご安心ください。
買主側でこの部分はあまり気にしなくても大丈夫です。
ただし、売買契約時に売主の会話がスムーズにいかない、代理人が出てきているがその理由が明らかでない、とような場合には注意が必要かもしれません。
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4.売買契約後に亡くなったら
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意思能力に問題が無く、売買契約が成立しても、その後に所有者ご本人がお亡くなってしまうこともあります。
その場合は、相続人を探すことになります。
相続人の探索はお亡くなりになられたご本人の出生から死亡と、相続人に該当する人全員の戸籍を取得して行います。
しかし、売買契約の引き渡し日までに探すことは時間的にも困難なことがあります。
無事に引き渡し日までに相続人が判明した場合は、売却することに相続人全員の承認が必要です。
全員の承認が得られなかった場合は、精算の協議をすることになります。
このように高額な財産である不動産の売買では意思能力の有無の確認が重要となります。
また新しい所有者が住んだ後に契約が無効となった場合の賠償責任も大きくなります。
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5.まとめ
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不動産売却の際は、「意思能力の有無の確認」と併せて、「相続人となる親族間に不平等が生じるような取引」でないか確認することが大切です。
日本では高齢化が進んでいるので、高齢者による不動産売買取引が増加することが見込まれます。
みなさんも、ご自身やご家族が不動産を売却する際は気をつけてみてください。
と言っても、初めての不動産売却は分かりづらいことや、不安なことが多いかもしれません。
でもご安心ください!
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