相続不動産〜売却のタイミング〜
- 2022.11.21
- 不動産売買
こんにちは!宮城・仙台の中古リノベとcasa取扱店ガウディランドの佐藤寧々です!
今回も前回と引き続き、「不動産相続」についてお話ししたいと思います。
平成27年に改正相続税制が施行されましたね。
基礎控除額が大幅に下がったことにより、これまで相続税とは縁遠かったご家庭にも今後は相続税対策が必要といえます。
詳しい情報はコチラから→【財務省:相続税の改正に関する資料】
ということで今回は!
不動産を相続する際にかかる「税金」に関する基礎知識と、不動産のベストな売却のタイミングについて紹介したいと思います。
目次=============
1.不動産を売るベストなタイミングとは
2.相続税の課税関係
3.相続で不動産を取得した場合の「所有期間」の扱い
4.不動産を売却して納税資金に充てる場合の注意点
5.まとめ
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1.不動産を売るベストなタイミングとは
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不動産を所有しているご高齢の方は、
・自分が存命のうちに売却する
・そのまま残す
の2つで迷われている人が多いのではないでしょうか。
では、実際はどちらの方がよりメリットがあるのでしょう?
相続前と相続後に分けて、そのメリットを見ていきましょう。
【相続前に不動産を売却】
そもそも相続税とは、死亡した人の財産を相続や遺贈によって受け取る人が納める税金のことを言います。
不動産は相続発生後の「遺産分割協議」において、その分割方法をめぐって兄弟間などで争いごとになりやすい傾向にあります。
そのため、事前に売却して現金化しておくことで、将来の相続発生時に相続人の間で分けやすくなるというメリットがあります。
なお、相続開始前に不動産を売却した場合に課税される税金は、一般的な不動産売買と同じです。
譲渡所得に応じて譲渡所得税が課税されます。
【相続後に不動産を売却】
不動産を相続人が相続した後に売却した場合も、基本的な考え方は同じです。
ただし、「相続税の申告期限である相続開始から10ヶ月後の翌日から3年以内」にその不動産を売却した場合には特例制度があります。
それは「譲渡所得の計算において支払った相続税のうち、その不動産にかかる部分の相続税を取得費として加算できる」というものです。
これを「相続税の取得費加算」と言います。
そのため、相続した不動産をこの期間内に売却すればそれによって発生する譲渡所得税を節税することができます。
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2.相続税の課税関係
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相続税の課税対象となるのは、不動産の場合は時価ではありません。
土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」によって評価されます。
「課税評価額」は時価よりも低く、これにより相続税を節税することができます。
固定資産税評価額は国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて市町村が決定します。
評価額は、土地については時価の60~70%(公示価格の70%)、建物については建築費の50~70%程になります。
評価額は原則として3年ごとに見直され、評価替えが行われますので、都度確認してみましょう。
これに対し不動産を売却して得た「現金」を相続する場合は、現金自体が課税評価額となります。
相続税については不動産の時と比べるとかなり割高です。
仮に地価の大幅な変動がなく不動産相続によって相続人の間で争わないのであれば、
不動産は相続人が相続後、相続税の申告期限から3年以内に売却することが課税関係上はベストと言えるでしょう。
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3.相続で不動産を取得した場合の「所有期間」の扱い
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不動産を売却すると、その「所有期間」に応じて、課税される税率が次のように変わってきます。
・長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日において、所有期間が5年を超えている場合…所得税15%、住民税5%
・短期譲渡所得:譲渡した年の1月1日において、所有期間が5年以下の場合…所得税30%、住民税9%
このように取得期間が長い方が、課税される税金が安くなります。
譲渡所得税の計算において「所有期間」は非常に重要な要素です。
一般的な不動産売買によって不動産を取得した場合は、取得日がそのまま所有期間の起算日となります。
しかし相続や贈与によって不動産を取得した場合については、被相続人や贈与者の取得時期がそのまま引き継がれることとなります。
よって、被相続人が死亡するまでに5年を超えて不動産を所有していれば、相続人が取得後すぐに売却したとしても長期譲渡所得として低い方の税率で課税されますので安心してください。
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4.不動産を売却して納税資金に充てる場合の注意点
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最近では相続税の納税資金が十分に準備できていないまま相続が発生したために、相続不動産を売却して得た現金によって相続税を納税するというケースが出てきています。
ただこの方法には、リスクがあるため注意が必要です。
2つのリスクを紹介します。
①相場よりも安く売却させられるリスク
相続不動産を売却して納税資金に充てるためには、相続税の申告納税期限である「相続開始後10ヶ月以内」がタイムリミットです。
不動産を売却する際に「いつまでに売らなければならない」という期限がつくと、売買における価格交渉はどうしても不利に働きます。
状況次第では厳しい指し値にもやむを得ず、応じなければなりません。
②相続人の足並みが揃わないリスク
相続不動産は原則として、遺産分割協議が合意に達し、相続する相続人が確定してからでなければ売買手続きに入れません。
そのため仮に不動産が自宅だったりすると、売却に反対する相続人が出てくる可能性があります。
そしてその結果、足並みが揃わず売却して納税資金に充てること自体ができないというケースもありえます。
以上のように相続不動産を売却して納税資金に充当しようとすると、かなりのリスクを伴う可能性があります。
できる限り納税資金については生命保険を活用するなどして、別枠できちんと準備しておくことが大切と言えるでしょう。
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5.まとめ
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相続における不動産の売買は、売却するタイミングにより税金をはじめ、それぞれ事情が異なってきます。
自分自身にとって不動産を売却するタイミングはいつがベストなのか、事前によく検討することが重要です。
売却に向けて納税資金対策や生前贈与など、必要な対策を早めに講じていきましょう。
相続に際して不動産の売却を検討する場合、「いつ売るべきか」よりも「何のために売るのか」の目的から逆算して考えるとよいかもしれません。
おのずとベストな売却時期が見えてくるのではないでしょうか。
また相続後の売却を検討するのであれば、遺産分割をスムーズに進められるよう、生前に財産目録や遺言書を作成するなどして、将来の相続人のために配慮した準備を心がけましょう。
いかがでしたでしょうか。
相続する不動産がある方の参考になれば嬉しいです。
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