コラム

2023年2月時点 電気代の見通しと節電術

こんにちは、仙台市の中古リノベとデザイン新築(casaの家)のお店「GAUDI LAND(ガウディランド)」のササキです。
今回は現在みなさんも非常にそのダメージに苦しんでいると思われる「電力料金」についてです。ずいぶん値上げが進んで、家計を圧迫し始めているとあちこちで悲鳴が聞こえてきていますよね。
そんな電気の今後の見通しについて、それからこんな時代で少しでも節約するための「暮らしの中での節電術」についてお話しします!
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= 目次 =
1. 電気料金の値上げの要因
2. 2023年の電気料金の動向について
3. 暮らしの中の節電術


  


 1. 電気料金の値上げの要因
 

【1】  電気代の値上げの要因その1:燃料費調整額の高騰
聞き慣れない「燃料費調整額」ですが、日本は火力発電の割合が非常に高く、しかもその燃料である「石炭や液化天然ガス」を輸入に頼っています。その割合は76.3%(2022年4月 資源エネルギー庁公表)。この輸入の際しては、市場動向や世界情勢、為替など日々変動していますが、この変動リスクを抑制するために「燃料費調整額」があり、電気料金に反映させることで収支を調整しています。皆様もご存知の通り、コロナウイルスの世界的な経済停滞やロシアによるウクライナ侵攻に伴うロシアの輸出入制限によって燃料費が高騰してしまい、一旦は脱化石燃料として世界では改めて脱炭素社会を推進するも、コロナウイルスも落ち着きを見せ始め、世界経済が回復兆候に差し掛かると、燃料の需要が一気に高まり市場バランスが崩れ、今日に至る価格高騰を引き起こしました。また、「円安」によって輸入価格が高騰したことも値上げの要因です。
 

【2】  電気代の値上げの要因その2:再エネ賦課金の値上げ
「再エネ賦課金」はご存知ですか? 度々TV等でも取り上げられるようになったり、太陽光発電を推している住宅会社などはこれを一番にお客様に伝えていたりします。何かというと、「CO2削減などを目的に、電力会社が再生可能なエネルギーを買い取る際のコストを、電気代の一部として消費者に請求する」というものです。再生エネルギーである太陽光などは、電力会社が期間と価格を固定して買取りするのですが、例えばその太陽光や風力発電の買取にかかるコストも、当たり前に普及するまでの間は、原子力や火力、水力発電に比べてどうしても割高なので、その間に買取にかかる費用をみんなで負担しましょう、というものなんです。みんなで平等に負担するわけですが、年700円程度だったこの費用も今では一般的な家庭では年9,000円ほどまで上がっています。
 

【3】  電気代の値上げの要因その3:国内の電力不足
東日本大震災前である2010年と比べて、国内の電力はどのように推移したかご存知ですか?
原発の稼働停止が次々と発表され、元々電力全体の1/4ほどだった原子力による電力供給量は、85%を超える減少となり、不足した分については火力などで賄うことに。結果的に2020年時点で12.9%も全体の供給量が減少しました。
そんな中でCO2削減の動きは世界で常に求められ、火力発電が年々縮小していることも関係してきます。電力事業が自由化となり、採算が合わなければ廃止となる火力発電所が出てきたことも電力不足の要因とも言えるでしょう。
 

【4】  電気代の値上げの要因その4:新電力による電気料金の値上げ
従量料金の値上げや上記で説明した燃料費調整額の上限撤廃が大きな要因でしょう。これによって電気代の値上げ幅が一気に2,000円を超えるご家庭も増えました。
新電力会社で契約されている方も多いと思いますが、自社で発電設備を持たない電力会社は、一般的に市場の仕入れ値の高騰により連動して電気代も高くなります。となればこのご時世での値上げは当然となります。少し高すぎると感じたら他の電力会社で試算したり、プランを生活にあうものに変更するなど検討しましょう。
   


  


2. 2023年の電気料金の動向について

2023年1月から電気料金が値下がりする!なんてことを耳にした方も多いのでは?
政府ではこの電気料金の値上がり対策として、この1月分の料金から「燃料調整額への補助」を開始しています。これを「激変緩和措置」といいます。
ただしこの補助には期間が設けられており、9月終了の見込みです。あくまで補助なので、料金がまだまだ値上がりするならいくらか足しになる程度ですが、元の料金自体は今後どうなるのか解説します。

2023年4月より更に値上げすると、大手電力会社の多くが発表しています。ここ仙台市における東北電力でも4月以降、月額3,000円強の値上げをする旨を公表しています。
2022年だけでもかなり上がったのにまだ上がるのか、と頭を抱える人も少なくないでしょう。
しかし現状を考えると文句を言っても値上げを待ってはくれません。
これからお住まいを考える人はガス併用の住まいや、太陽光搭載や断熱性能の高い住まいを考えるのも良いでしょう。
ただ、性能を上げるとなるとそもそものイニシャルコストが高くなり、住宅ローンの支払も増えるため、光熱費を下げるために家を買うのか、と目的がぶれてしまいます。また、窓を含めた外観デザインに制限が出たり、せっかくやりたい間取りなど、理想の暮らしのイメージを壊すことにもなります。

ここでデザインや設備、性能はそのままに、いくらでも値上げに対抗するべく、暮らしの中に節電ポイントがいくつかありますので、ご紹介していきたいと思います。
   


  


3. 暮らしの中の節電術

節電というと寒さを耐えなければならないの?なんてマイナスなイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、そういう「快適さ」は暮らしでとても重要なので、我慢せずにいきましょう。それ以外でどんなことができるか、ちょっと考えてみましょう!まだ実施していないポイントがあればぜひすぐに取り組んでみてください。塵も積もれば山となる、です。
 
・冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」へ
 これだけで実は年間1,700円の節約です。一度ポチッと設定するだけです。
 
・TVのつけっぱなしをやめる
 意外と「見てないけどなんとなく静かなのが嫌だから」「暇だから」など様々な理由や習慣で付けたままの方も多いのでは?これをやめてこまめに消すだけで年間3,000円以上の節約です。
 
・待機電力を使わない(主電源を切る、コンセントを抜く)
 ここから少し面倒かもしれませんが、実はこれ結構効果が大きいんです。待機電力だけで電力使用量の5%と言われていますので、年間10,000円以上の節約になる家庭も多いのでは?
 
・エアコンの設定温度に気を付ける
 快適性に直結するような過度な変更はいりません。冬なら1度下げられるか。夏なら1度上げられるか、やってみてください。それだけで10〜13%の節電になります。これは大きい!
 
・電力会社の見直し
 意外と大手電力のまま、というご家庭も多いでしょうし、契約プランなんて気にしたことない、というご家庭も一定数見受けられます。これからお家を購入する方はもちろん、今のお住まいで気にしてなかったという方は電力会社で試算してくれたり、契約プランの相談に乗ってくれたりします。ぜひ活用を。
 
・アンペア数の見直し
 これもほとんどの方がやってないかもしれません。アンペア数を10A下げるだけでも月額300円ほどの節約に。ブレーカーが落ちない程度に、下げてみるのも手です。
 
   
いかがでしたか?
ほんの少しだけ節電ポイントを紹介しましたが、もっとたくさんあるでしょう。別に電気代だけ節約する必要はありません。缶コーヒーやジュースを買うのをやめて家から水筒で持ち歩くなど、今まで気にしていなかった余計な出費を抑える方がより家計には効果的だったりします。私ササキはどちらかといえば家の快適さを我慢することと面倒な作業は続けられないタイプなので、余計な服を売って、購入する服も最小限にしたり、お酒は極力家で飲んで外飲みを減らすなど実践中です。

みなさんもできるところ、無理なく続けられることをやってみてはいかがでしょうか?
ではまた!

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