コラム

リビングを切り分ける「DK+L」とは

秋の風があたるようになり、金木犀(きんもくせい)の匂いがするとまたいい季節がきたなと感じます。
こんにちは、設計デザイナーの佐藤幸也です。
 
文明の利器に頼らずとも生活できることで時代が巻き戻される感覚に陥ります。

「◯◯の秋」、私は「読書の秋」派です。
公園のベンチで本を読む、、いや、タブレットで読む派なので見た目は良いものではありません。。
ですがタブレットがあると、ふと間取りを考えたり、コラム記事を書いてみたり(笑)

 
 
さて、今回は秋風にあたりながら、“当たり前に切り込んでいきたい”設計コラムシリーズです。

みなさん、当たり前のように「LDK」は一体の空間で作ろうとしていませんか?
一体になっていることが良いものだと思い込んではいませんか?


 
略称なのでシンプルに見えがちですが、リビングダイニングキッチンこれらはみなさんの暮らし方で全く別の表情をするものです。

 
そこで今回は、ダイニングとリビングを切り分けることで見えてくる新しい暮らしをご紹介します。
これからは「DK+L」の暮らし方が選択肢の1つになるでしょう!

ぜひ参考にしてみてください。
※本記事ではリノベーション・新築注文住宅・店舗デザインどの分野においても共通する設計パートの解説をしていきます。

 
 
= 目次 =
 1.なぜDとLを切り分けるのか
 2.ダイニング中心の暮らし
 3.リビングを分ける手法
 4.まとめ


 
【1.なぜDとLを切り分けるのか】

当たり前を変えるのでそれなりの根拠があります。
それは、間取りを決める上でLDKの優先順位でいくと圧倒的に最下位はダイニングではないでしょうか。

キッチンは家事動線、リビングはくつろぎ空間

これらが優先的に決まって、間にはめ込もうとするのがダイニングテーブルですよね。
その悪い例が、間に挟まれ窮屈、椅子に座りづらい、椅子に座ると動線が悪くなる、テーブルサイズが小さい、配膳がしづらい等が挙げられます。

 
ダイニングはどんな役割をもつのか

ダイニングは家族で食卓を囲む場所、この時間はコミュニケーショをとる上で家の中心にあるべきではないでしょうか。
つまりはキッチンもリビングもダイニングもそれぞれ優先順位は同じであるべきだと思うのです。
そこでリビングとは空間を分けることでダイニング中心の暮らしを実現しようと考えたわけです。


 

 
【2.ダイニング中心の暮らし】

それではリビングと切り離したダイニングキッチンが暮らしの中心になるメリットデメリットをご紹介します。

メリット

・食卓空間をつくることができる
リビングが一体になると広い空間をつくれますが、かえって食事に集中できない空間ともなりえます。

 
・くつろぐ時間の質が上がる
お家にいるとなかなか休まる時間・くつろぐ時間を取りづらくはないでしょうか。
これはLDKが一体であることにも要因があると思っていて、キッチンが見えると「あれもこれもやらなきゃ」と思ってしまいますよね。
家事もお仕事ですから、喫煙所で一服するサラリーマンのように、休める空間は別にあることが重要になります。

 
・外部空間を取り込みやすい
レストランで食事をする際、窓際が良い席ではないですか?外の眺めを見ながらの食事って最高ですよね。
間取りの鉄則でいくと、大きな窓はリビングに隣接させるのでリビングと一体の間取りでは外部空間を取り込みづらいのです。

 
・リビングに生活感が出ない
ダイニングはどうしても生活感が出やすく、共働き世帯は特に綺麗にしておくことは難しいですよね。
くつろぎ空間をつくるためにはなるべく生活感を出さないことがポイントです。

 
・煙や匂いが他の空間へ広がらない
ホットプレート等を使用して焼肉やお好み焼き等の匂いが出る食事をする際に気になるのが煙や匂いが広がり、他のものに付着することでしょう。
食事した日は気になりませんが、次の日ソファに座ったり、カーテンを開ける際に匂いに気づき嫌な気持ちになりませんか?

 
デメリット

・子供から目を離しやすくなる
リビングが子供の遊び場になりやすいため、キッチンで料理をしているときは目が離れることがあります。
小さいお子様の場合は何かと気になることも多いですが、子供の遊び時間と家事時間を合わせることが対策の1つになることもあります。
また、子供の成長は早いものであっという間に親の手から離れるものです、誰目線で計画するかはとても重要です。

 
・テレビが見えない
キッチンを作りながらテレビを観る、食事をしながらテレビを観る、テレビの配置を検討しているとこのご要望は必ずと言っていいほど出てきます。
ただ、LDKが一緒の空間だから観れたら良いなではありませんか?

特にタブレットの時代ですから、必ずしもテレビが無いといけないわけでは無いのかなと思います。
それよりも集中して籠もってテレビを見られる空間をリビングでつくるほうが没頭できて空間の質が上がりますよね

 
・コミュニケーションがとりづらい
リビングで誰がいるか、何をやっているか把握しづらいことはメリットにもデメリットにもなります。
LDKが一体であれば簡単にとれるコミュニケーションもわざわざリビングの空間へ足を運ぶ必要があります。
プライベートスペースは良し悪しありますね。

 
・部屋が狭くなりやすい
間取りを計画する上で、いくらでも広くできるわけではありませんよね、ご予算があります。
切り分けることで各空間が狭くなってしまうことも考えられます。
この場合、窓面に接するように計画してあげることで、ダイニングもリビングも外部空間を取り入れて広く見せるということが重要です。

 

 
【3.リビングを分ける手法】


 
さて、ダイニングとリビングを切り分けることでのメリット・デメリットを解説してきましたが、
それぞれの空間の分け方を解説していきます。

 
・段差をつくる
建築業界では空間を分けたいときによくつかわれる手法の1つです。
空間を分けるとなると壁やドアをつくることがイメージされがちですが、段差でも空間は分けることができます。
多くは床に段差を設けることもありますが、天井でも効果は同じで空間を分けることが可能です。
一番ナチュラルに緩やかにわけることができることが特徴になります。

■代表例
リビング側の床を下げることを「ピットリビング」
ダイニングキッチンの天井を落とす「下がり天井」

 
・置き家具で仕切る
LDKは収納がいくらあっても足りないこともありますよね。
サイドボード等お気に入りの家具を置いて空間を仕切ることで、アクセントにも収納にもなる置き家具がおすすめです。

 
・リビングを別フロアへ分ける
この手法は当たり前から外れた考え方になりますが、リビングはダイニングと同じフロアになくても成立すると思います。
そうすることで狭くなりやすいダイニングキッチンを広々した開放的な空間にすることも可能です。
2階の階段ホールやセカンドリビング等、広い空間を持て余している事例をよく見かけるので、将来的に使わないかもしれないスペースから少しずつもらうことで叶えられる空間もあります。
2階にリビングがあることで道路からの視線や家事の音から逃れることも可能になるなんてことも利点ですよね。

 
・素材を変える
床や天井の材質を変えることで空間を分けることができます。
ダイニングキッチンは床材を拭き取りやすいタイルに、くつろぎ空間のリビングは座っても心地の良い無垢フローリングにすることは空間要素としても妥当性があります。

 

 
【4.まとめ】

さて、如何でしたでしょうか。

 
ダイニングとリビングを分けることが「正解」ではなく、1つの選択肢であることを知って頂けたらと思います。

当たり前に一体空間である「LDK」とはL+D+Kであり、足し方は暮らしによるということです。

 
 
建売住宅に合わせる暮らしではなく、あなたに合った暮らしが大切です。

リノベーションでも新築でも店舗でも些細なことでもご相談ください。

 
また後ほど。

 
 

弊社、株式会社ガウディランドでは、宮城県や福島県の一部地域を施工エリアとしており、

得意としていることは、お住まい探し、不動産売買・仲介、リノベーションや新築住宅の設計・デザイン・施工、家具・インテリア・雑貨提案などなど。

この度、話題沸騰中のサウナの導入もはじめ「自宅にサウナがある暮らし」まで実現できるようになりました。

まずは些細なことでもご相談ください。
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