リノベーションってなに? リフォームとの違いも解説
- 2022.07.17
- リノベーション
みなさん、こんにちは。
仙台市の不動産と建築の会社、GaudiLand(ガウディランド)の佐々木です。
あなたは次の質問になんと答えますか?
「リノベーションってなに?」
実はなんとなく頭ではわかっているようでも、しっかりと言葉で伝えられる方は少ないのではないでしょうか?
最近では「リノベーション(リノベ)」って言葉、本当よく耳にするようになりましたよね。TVドラマでもリノベーション(リノベ)会社に勤務している主人公が…なんてものや、主人公が住んでいる家が中古なのにリノベーション(リノベ)されていてやたらとオシャレ…なんてものも。漠然と、リノベーション(リノベ)=おしゃれ、というイメージが強い方も多いのでは。
というわけで、今回は「リノベーション(リノベ)」とは何か、さらにはリフォームとの違いや、あなたの住まいづくりにはリノベーションとリフォーム、どちらが適しているか、などについても解説します。
目次===============================
1.リノベーション(リノベ)とリフォームの違い
2.リノベーション(リノベ)のメリット・デメリット
3.リノベーション(リノベ)とリフォーム、どっちが良いの?
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1.リノベーション(リノベ)とリフォームの違い
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「リフォーム」は原状回復を目的とした修繕や部分的な対処、つまり、経年劣化により傷んだ住宅を新築時に近い状態に戻すことを言います。
一方、「リノベーション(リノベ)」とは、機能・価値の再生を目的とした改修、つまり、既にある住宅にこれから住む人の価値観や新たな機能を加えて、価値を向上させたりすることを言います。
リフォームにしても、リノベーションにしても、修繕や改修であることは間違いないのですが、この二つの工事は、プロセスはもちろん、その改修がもたらすその先の「暮らし」に大きな違いが出ます。
【1-1.リフォームとは?】
リフォームは、中古住宅の老朽化した部分を新しいものに交換することで新築時の状態に戻すことです。
例えば賃貸住宅では以前の入居者が退去したあとに「原状回復」のための工事が行われますが、リフォームはまさにこれにあたります。基本的には間取りは変えずに、古くなったキッチンを新しいものに入れ替える、傷んだクロスや床材を貼り替える、黄ばんだりほつれた畳を新しいものに変える。どれも部分的な改修ですが、これが複数箇所になればなるほど「大規模リフォーム」となります。
英語では「reform」=“好転、改善”となりますが、実は日本以外では住宅用語として使われることは少ないのも驚きです。日本は何十年も「リフォーム」という言葉が多用され、リフォームではこれ以上はどうしようもない場合に新築に建替、という感覚が一般的なのではないでしょうか。
【1-2.リノベーションとは?】
では次にリノベーション(リノベ)です。最近は「リノベ」と略す言い方も定着してきました。英語では「renovation」=“革新、刷新”を意味します。
リフォームと違い、なにやら大きく変わりそうなイメージですが、その通り、住む人の要望を取り入れた間取りはもちろん、機能や性能を向上させ、自分に合わせた空間を作り出すことで、より自分らしい自由な暮らしを送ることができます。
スケルトンリノベーションが一番わかりやすいのですが、例えば中古マンション。台所や居間といった現在のLDKの前身のような間取りが多いですが、この時代には好んでこの間取りに住もうと言う人はいません。洗面室もお風呂も狭い。こんな時には全て解体して、床・壁・天井、全てを新たな間取りにします。対面キッチンにすることで水回りの位置が変わったりもするので、床下配管なども全て新しくすることになります。こうして表面上の建材(ドアや壁紙など)の他に、目に見えない下地や配管なども刷新することで住宅自体の価値を向上させることにもなります。
間取りも全てを解体するからこそ、自由に作りかえることができます。キャンプ好きな人は玄関の脇に広い土間スペースを作りアウトドア用品を置いたり、リモートワーカーには、LDKやベッドルームとは別に仕事に集中できる部屋を作ったり、子供ためにリビングにクライミング用の壁やストーンを設置するなど、その作り方は様々です。
わかりやすく言えば、中古住宅を活用した「注文住宅」、これがリノベーション(リノベ)です。
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2.リノベーションのメリット・デメリット
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夢が広がるリノベーション(リノベ)にも長所・短所が存在します。ここではリフォームと比較した場合のメリット・デメリットをご紹介します。
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【2-1.リノベーション(リノベ)のメリット】
(1)注文住宅同様、自分たちの要望が取り入れられた空間で暮らすことができる
(2)建売、新築マンションなどと違い、必要なものだけを取り入れられるため、ムダがない
(3)デザインに長けた専門家(建築士)が最新のデザインや設備を教えてくれる
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メリット(1)
『注文住宅同様、自分たちの要望が取り入れられた空間で暮らすことができる』
→リノベーション(リノベ)の醍醐味であり、最大のメリットがこれです。リフォームでは間取りもそのまま、キッチンサイズも既存の住宅に合わせる、といった形になりますが、リノベーション(リノベ)では自分たちの希望を最大限に取り入れることが可能です。洗面台も造作にしたり、土間スペースを作ったりなど楽しみが広がりますね。
メリット(2)
『建売、新築マンションなどと違い、必要なものだけを取り入れられるため、ムダがない』
→部屋数、設備グレード、建具(ドア)など必要な分だけを作れるリノベーション(リノベ)はとても効率的です。自分にその建材や設備グレードが必要か不要をしっかりと見極めて必要な分だけに資金を投じることができます。
メリット(3)
『デザインに長けた専門家(建築士)が最新のデザインや設備を教えてくれる』
→リフォームでは営業担当者や施工担当者がカタログを持ってきて決めていきますが、リノベーション(リノベ)では建築士が現在の住まいの不満点や、生活の仕方からヒアリング。そしてデザインもトレンド感のあるものや、あなたに合った機能などを提案します。これぞ家づくりという感じですね。
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【2-2.リノベーション(リノベ)のデメリット】
(1)工事費用がリフォームに比べて高くなるケースが多い
(2)スケルトンリノベーションの場合、出来上がりが想像しにくい
(3)選ぶ建材や設備が多いため、打ち合わせの時間が長い
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デメリット(1)
『工事費用がリフォームに比べて高くなるケースが多い』
→間取りを変えるには解体工事が伴います。必要によっては下地のやり直しをしながら新たに作っていくため、設備や建材の交換のようなリフォームよりも工事が大規模になりがちです。また、リフォーム会社では特定の設備だけを取り扱うことによって単価が安くなったりしますが、リノベーション(リノベ)会社ではその人に合わせた提案となるため、大量購入による低単価といったスケールメリットはあまり見込めません。
デメリット(2)
『スケルトンリノベーションの場合、出来上がりが想像しにくい』
→部分的な改修や設備の交換であるリフォームと違い、ほぼ躯体(構造体)だけを残してゼロから作るリノベーション(リノベ)は、完成イメージを想像できないのも無理はありません。リノベーション(リノベ)会社の多くは、3Dイメージを利用しながらみなさんに空間やデザインを提案しますが、実際の空間の広さなどは出来上がってみないと体感できません。
デメリット(3)
『選ぶ建材や設備が多いため、打ち合わせの時間が長い』
→リフォームとは違い、間取りやデザインを固めていくのはもちろん、それが決まれば、次に検討しなければならないのは仕様や設備。世の中にあるものから採用するものはたった1つになるため、選ぶのにも根気が必要になります。また時にはショールームに足を運んで体感したりすることも。そのため打ち合わせの期間はリフォームに比べ長く、1回あたりの打ち合わせ時間も長くなります。
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では最後に、今までのメリットやデメリット、リフォームとの違いも含めて、リノベーション(リノベ)とリフォーム、どちらを選ぶべきかをお話しします。
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3.リノベーション(リノベ)とリフォーム、どっちが良いの?
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どちらにしても手に触れるものが新しくなることに変わりはありません。ただしリフォームは表層的な改修になるため、下地や配管の状態によっては将来的に改めて工事をしなければならないこともあります。
予算の問題や、この先何年住むのか、自分の住まいに必要なものは何かを見極めた上で決めていくのが良いでしょう。
リフォームを選ぶ最大の魅力は、簡易的な工事による引越しまでの「スピード感」と、スケールメリットによる「低価格」です。選べる設備や建材はリフォーム会社によって限定的にはなりますが、それによる施工の効率化が施工期間の短縮化を実現し、さらにはリーズナブルな価格を実現します。部分的な不具合で、他は問題ないのであればリフォームを選ぶのが良いでしょう。
リノベーション(リノベ)を選ぶ最大の魅力は、そのデザインの自由度がもたらすオリジナル空間の創出です。せっかく何千万円というお金を投じて住宅を購入するのであれば、自分のライフスタイルに合った住まいにしたいのも本音でしょう。LDKや水回りなどの動線、収納量、インテリアテイストといった部分は毎日の生活に直結する部分。ストレスなく、好きなものに囲まれた使い勝手の良い暮らしを思い描くのであればリノベーション(リノベ)を選択するのが良いと言えます。
いずれも正解はありません。あなたの生活には何が必要か、住まいに求めるものは何か、やりたいことや欲しいものが中古物件には備わっているのか、などを整理して、一度リノベーション(リノベ)会社やリフォーム会社に話を聞きに行ってみたり、工事が完成した住宅の見学会などがあるのであれば行ってみても良いでしょう。
ぜひ住宅購入を検討する際の参考にしていただければと思います。