リボ払い地獄。いつ終わるのか、住宅は買えるのか。
- 2023.03.17
- ライフスタイル・その他
こんにちは!
■ メジャーリーグMVPの大谷翔平選手
■ 日本人初のメジャーリーグ最多勝投手であるダルビッシュ有選手
■ ペッパーミルパフォーマンスで、もはやみなさんの注目の的、カージナルスのラーズ・ヌートバー選手
など、世界でも強力な選手たちを要する、侍ジャパンのWBCでの奮闘に仕事がままならない、ササキです。
皆さんもWBC、見てますか?
「近藤、大谷、村上、吉田、岡本、牧・・・」。
日本の野球を知っていれば、投手として絶対に当たりたくないような恐ろしい打順ですよねw
ぜひアメリカ、マイアミでの決勝で、栗山監督の胴上げを見たいものです。
目指せ、世界一奪還!!!
(このコラムは準々決勝、イタリアを撃破後なので、どうしても書きたい欲を抑えられませんでした)
ということで、少し前置きに熱が入りましたが、今回のコラムでも熱く語っていきたいと思います。
今回は「スプリット(SFF)とフォーク」の違いについてです。
嘘です。(笑)
難易度が高いのでやめておきます。
(まだやるのかって? もう終わります)
改めまして。今回は、日本の打順の恐ろしさに負けじと、住宅購入を考える人にとって、それはとてもとても「恐ろしいお話」をしたいと思ってます。
それは・・・
「リボ払い。」
あぁ、身の毛もよだつほどこの恐ろしい言葉。
今回は皆さんの中で利用されている方も多いかもしれない、この「リボ払い」が住宅購入に及ぼす影響についてです。
今や日本もキャッシュレス化が進み、電子マネーも当たり前の時代。
以前から利用されているクレジットカードもキャッシュレスの代表格ですよね。
クレジットカードは手元に現金がなくても設定された上限までは支払ができる便利なものですが、その便利さと不可視化されたお金という両面から、カード地獄に陥ることもある、大変怖いものでもあります。
最近では成人年齢も18歳に引き下げられ、若くしてクレジットカードの作成が可能になりました。
お子さんを持つ親御さんの目線ではちょっと怖い部分もありますが、できる限り正しい使い方をお子さんに教えてあげたいところですよね。
でもその前に。
あなたのクレジットカードの使い方、大丈夫ですか!?
この仕事をしていると住宅ローンの審査のために、たくさんの家計を覗くことになるわけですが、結構な割合で「リボ払い」を利用している方を見かけます。
「え? リボ払いしてると住宅ローン組めないの!?」
と思われた方、そうではありません。組めます。
組めます、が・・・
その前に、リボ払いってどんな仕組みかご存知ですか?
それを知れば住宅ローンに少なくとも影響を与えることがわかるはずです。
一緒に勉強していけば、上手にクレジットカードと付き合いながらも「幸せなマイホーム」を手にすることができます!
最後まで読んでしっかりと頭に焼き付けてください。
あー、もう怖い。(笑)
= 目次 =
1. リボ払いとは?
2. リボ払いと住宅ローンとの関係
3. リボ払いからの脱却方法
1. リボ払いとは?
リボ払い(リボルビング払い)とは、クレジットカードの利用金額や利用件数に関わらず、あらかじめ設定した一定の金額を月々支払う方式です。
分割払いと混同される方もいらっしゃったり、そもそも仕組みがよくわからないけど、返済が安くて便利だから、なんて利用されている方もいるほど、あまり認知されていない中で利用されているのが現状です。
まず最初に分割払いとの違いを少し勉強しましょう。
【 分割払い 】
分割払いは利用(購入)金額に対して「支払い回数」を選べるもの。例えば20万円のパソコンを3回払いにするとすると、200,000円÷3回となり、1回(1ヶ月)あたりの支払額は66,666円となります(金利は除く)。そしてこれを設定した全3回払うことで残高は0となります。
【 リボルビング払い 】
一方、リボ払いは、一般的に大きく2つの方式がありますが、以下のようなものになります。
① 定額方式
支払い残高に関係なく、毎月一定額を支払う方式です。
例えば、毎月2万円の支払いコースを選んだ場合、20万円のパソコンでは、あらかじめ設定した2万円+手数料だけになりますが、残高は1回(1ヶ月あたり)2万円しか減りませんので、当然18万円となります。このまま行けば全10回(10ヶ月)で支払い終わることになります。
② 残高スライド方式
こちらは支払い残高に応じて、毎月の支払額が段階的に増減する方式です。
支払い残高が、
10万円未満・・・月々の支払い1万円
10万円〜20万円未満・・・月々の支払い2万円
20万円以上・・・月々の支払い10万円ごとに1万円プラス
という設定の場合、
先ほどの20万円のパソコンは、1回目の支払が3万円+手数料。2回目〜5回目の支払いが2万円+手数料、6回目〜15回目の支払いが1万円+手数料となります。
例であげた①と②は同じぱ20万円のパソコンを購入しているのに、方式が違うだけで支払い回数が5回も違います。まずはこの仕組みを理解しましょう。
そしてリボ払いの怖いところは、その返済額の低さ(返済のしやすさ)がもたらす「余裕感」です。
例えば20万円のパソコンを分割で2回、3回で支払うとなると1回あたりの返済額が10万円であったり、66,666円(金利を除く)となかなか大きな出費になりますが、リボ払いを選択することによって月々2万円程度になるわけです。
そうなると月々の生活は分割払いよりも楽になり、他にも何か購入できる「余裕」が生まれてしまいます。
この余裕がさらに次のモノを購入してしまうのですが、ここまでは長めの分割をするのと大差ありません。
本当の恐怖はこれからです。
仮に①の方式で20万円のパソコンを購入しても10ヶ月は「月々2万円+手数料」の返済でいけるわけですが、ここで余裕が生み出す物欲に負け、翌月にブランドのバッグ10万円を購入したとしましょう。
すると翌月の返済額はどうでしょう。
なんと返済初月と同じ「2万円+手数料」で済むわけです。
ただただ残高が増えただけで支払いは同じ。あれ?なんか余裕で買えちゃう・・・
では思い切って30万円のTVを購入しましょう!
返済額はというと・・・最初と同じく「2万円+手数料」です!!
これはもう人生超ハッピーですね!じゃんじゃん欲しいものを手に入れましょう!!!!
だって支払いは「2万円+手数料」だけなんだもーーーーん!!!!
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となってしまったら、はい、終わり。もう「地獄」です・・・。
大丈夫ですか?
すでにこんなことになっていませんか?
なっていたら現実に戻ってきてください! 今あなたのリボ残高いくらですか?
「リボルビング」なんて聞こえはかっこいい横文字ですが、簡単に言えばただの「借金」です。
このリボ払いが◯百万円って方、よく聞きます。
まずは簡単に言えば、残高とは「借金」である、リボ払いとは返済を楽に見せた、返済をどんどん先延ばしにする方法である、ということを脳裏にしっかりと焼き付けましょう。
2. リボ払いと住宅ローンの関係
次にこのリボ払いがある(残高がある)人と住宅ローンについてです。
正直、「影響が出るのか」と言われれば「出る人」も「出ない人」もいる、というのが正解です。
住宅ローンは返済比率という仕組みがベースとなり、金融機関からあなたに対して貸せる、貸せないの判断を下されます。
返済比率は簡単に言えば、「過大な返済額とならないように、あなたの収入に対して、ローンなどの返済額の上限を決める指標」と言えるでしょう。
ここではあまり詳しくは話しませんが、一般的に返済比率は35%を上限とすることが多く、例えば年収5,000,000円の人であれば、
5,000,000円 × 35% = 1,750,000円
この175万円が「あなたが年間で返済できるMAX値」と捉えて、すべての返済を合わせてこの金額に収まるようにしかお金を借りれない、というものです。
年間175万円は言い換えれば月々14.5万円ほど。
仮に住宅ローンを組む前に月々5万円の返済がある人はこの「14.5万円から5万円を引いた9.5万円」が住宅ローンとして返済していける金額、と考えられるわけです。
9.5万円の住宅ローンは審査金利の設定にもよりますが、仮に35年返済の金利1%の住宅ローンで計算すると、約3,360万円の借入になります。まぁまぁ借りれますね。
でももしその元々の5万円のローンがなければ約5,100万円借りられたんです。
どうしても欲しいマンションが5,000万円だったらこれは悲しいですよね。
もちろん、元々のローンがどうしても必要なローンだったならば仕方ありませんが、物欲に負けて散々ブランドものを買った、少し我慢すれば買う必要のなかったものだった、なんてものであればこれは後悔以外の何者でもないでしょう。
そしてリボ払いはここでも住宅購入の行く手を阻みます。
消費者のあなたにとっては使い勝手の良い反面、金融機関からすれば住宅ローン審査ではかなりマイナスな見方をされることが多いのが実情です。
なぜか。
仮に毎月2万円のリボ払いを設定していて、残高が30万円ある場合。
毎月の支払いは2万円なので、返済比率においても2万円だけ引かれるかと思いきや、残高を1年(12ヶ月)で割った金額を充当する形で考えます。
わかりにくいので、言い換えますが、先ほどの年収5,000,000円の人の返済比率は年間175万円。これが返済のアッパーですが、リボ残高が30万円あるとすれば、175万円から30万円引いて、上限は145万円となるということです。
お分かりでしょうか?
つまりリボ払いが嵩んで数十万円になればなるだけ、住宅ローンにかけられる返済額の幅が月々の返済ベースではなく、年間返済上限から残高分が減る、ということです。
これ、かなり恐ろしいことなんです。
住宅ローンを近々組もうと思っている人が近くにいたらリボ払いは「絶対に」勧めないのが不動産会社、建築会社、金融機関のセオリーです。
さらにリボ払いの怖さはここだけでは収まりません。
クレジットカードの一つの機能としてのリボ払い。
通常のクレジットカードでもその契約内容(契約時期や会社、上限金額)や返済履歴(遅延、未払い等)は個人の信用情報として、とある機関(CICやJICC、KSCなど)に登録されるのですが、その信用情報は住宅ローン審査では必ずあなたの同意のもと、金融機関で取得、照会するものです。
そのデータ、書面の中で、リボ払いは「リボ機能付き」と表示されます。
すると金融機関は「リボ払いを使わないといけないほどの経済状況なのかもしれない」とマイナスなイメージを抱くわけです。
そもそも住宅ローンを利用する前提として、金融機関は「安定的な収入をもとに、毎月、必ず返済してくれる人」に貸すわけですので、計画性を持って頭金を用意できる人であったり、収入は多いけど無理しない購入計画を立てる人を好みます。
一方、リボ払いをする人は、現金一括で買うのに手元の資金が不足していたり、「返済額を楽にして、返済を先延ばしにする」人なわけです。(言い方が少しきつめですが・・・)
住宅や車ほどではないけども欲しいものが現金一括で買えない、もしくは「分割」では月々の生活に大きく支障ができてしまう、そしてリボ払いにリボ払いを重ねるようなモノの買い方をするといった人は、金融機関からすると「破綻に向けて歩き出してしまっている人」に見えるわけですね。
どうでしょう、住宅ローンに影響することが理解できたのではないでしょうか?
3. リボ払いからの脱却方法
では仮にリボ地獄に陥っている人でもなんとかリセットできないだろうか、住宅ローンを利用して幸せなマイホームを手に入れることができないのだろうか、と考えるわけですが、
答えを言います。
「完全なるリセット」はできませんが、幸せなマイホームを手に入れつつ、リボ地獄から脱出する方法はあります。
そして、その方法は「おまとめローン」です。
リボ払いに限らず、車のローンや奨学金などもまとめられる住宅ローン商品です。
取り扱いのできる銀行は限られていますし、金利も通常の住宅ローンに比べれば1%程度高いことが一般的です。
ですが、車のローンはまだ良いとしても、リボ払い、他にカードローン、フリーローンも聞いたことがあると思いますが、これらのローンは非常に金利が高いです。
車のローンが金利2%程度としても、用途を限定しないローンは最大14.9%まであります。(100万円を1年借りたら14.9万円の利息がつくということ。)
この金利で借りたら、繰上げ返済(期日が到来する前に一部、全部を任意で返済していく)を利用してどんどん返済していかない限り、返済はなかなか終わりません。
でも繰上げ返済は余裕があって初めて返済にまわしていくもの。お金に困って借金をした人になかなか余裕はありませんので、期日に決まった返済額を返すのがやっとなはずです。
リボ払いはその性質上、返済額は低めに、かつ一定にすることで返済はしやすいですが、「完済」まではほど遠くなります。
手数料も言い方が違うだけで結局は利息です。
借りたら少し多く返す、当たり前ですよね?
このリボ払いやローン地獄を、住宅ローンとして元々のローン分を上乗せで借り、そのお金で一括返済する、そして上乗せした分は「金利の安い住宅ローン」として返済する、これがおまとめローンです。
月々5万円のローンがあった人も、住宅ローンとして「住宅購入費+300万円」にはなったが、5万円分の返済が2万円になった、こんなイメージです。
「それめっちゃいいじゃん! んじゃちょっとローンが嵩んできて返済がきついから、住宅買おうかな!」
そんなあなた、ちょっと待ってください。
胸に手を当てて思い返してみましょう。
・ローンはいくつありますか?クレジットカードはいくつありますか?
・今までその返済について少しでも支払いの遅延、遅滞、未払いはありませんか?
・正社員として一年以上働いていますか?
・頭金は用意できていますか?
・健康ですか?
少なくともこれで問題があればローンは通らないでしょう。
ローンの本数やクレジットカードの枚数も多ければ印象は良くはありません。
フルローンという言葉がありますが、あれは現金が0で住宅が買えるわけではなく、契約時に支払った金額が後々にローンとして借りれる(一度払ったものがローンで借りることにより手元に戻せる)だけです。少なくとも手付金や諸費用の一部で現金は必要です。
まずは、返済をしっかりできるように工面する、努力する。
そして住宅を購入するために計画的に貯めた頭金が「信頼できる材料」となって金融機関の審査に通ることにつながります。
そこまで来たらリボ払いがあっても「おまとめローン」が助けてくれるかもしれません。
住宅会社としてお家を購入してくれることは嬉しい反面、しっかりと計画性を持って購入しない限り、またリボ地獄のような生活になり、売却を余儀なくされることも少なくありません。
このコラムを最後まで読んでいただけた方で、自分には関係ない話だと思う方もいれば、残念ながら自分に刺さった方もいるでしょう。
リボ払いだけではありません。
「借入」「借金」「ローン」というのはあくまでも「自分で用意できない分を他人から前借りすること」である。
それがあなたの人生にとってこれから先どう影響を及ぼすのか、じっくり考えるだけでも、今後の生活の仕方が変わるかもしれません。
長くなりましたが、少し怖い話はここで終わりです!
まずは一旦現実逃避して、冒頭でも話したWBCの侍ジャパンを応援して、元気をもらってからでも遅くはありません!
がんばれ、栗山ジャパン! 目指せ世界一!
ではまた!